※本記事は核心的なネタばれを避けています。未見の方も安心してどうぞ。
イントロ:リバイバルという名のタイムマシン
スクリーンが暗転した瞬間、時間が逆流しました。座席は同じはずなのに、気持ちは二十数年前のあの日の私。
“月1エヴァ”のリヴァイバルで『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生(DEATH (TRUE)² & REBIRTH)』を、ふたたび劇場で観る幸福。あの頃、希望もなく不安に押しつぶされていた自分に、いまの私はそっと合図を送りました。「まだ生きてる」と。
月に一度、劇場で会えるだなんて、運営さん…ありがとう。
冒頭コメントで空気が変わる
本篇が始まる前、鶴巻和哉監督の音声コメント。制作当時の温度が、短い言葉から手渡しで届く。
“これから観るもの”の見え方が一段深くなる良い導線でした。緒方恵美さんの回も用意されているとのことで、シリーズでの継続が楽しみ。全劇場・約3分・音声のみという仕様もスマート。
「魂のルフラン」で感情がスイングする
エンディングに響く「魂のルフラン」。分かっていても、来るたびに胸の奥が鳴ります。本作のエンディングとして流れることを、鶴巻監督の言葉で改めて意識させられました。ここで鳥肌が立たない日は、きっと私のアンプの電源が落ちてます。30年目の音楽が持つ説得力、やっぱり反則。
作品メモ:シト新生の“二部構成”と当時の事情(一般情報のみ)
作品は二部構成。前半DEATHはTVシリーズの再構成(総集編)、後半REBIRTHはTV版25話以降へ接続する助走。今回の上映は後継版 DEATH (TRUE)² & REBIRTH。
観ていて正直に思ったこと
前半DEATHは、絵柄の時代性も相まってちょっと体力を使う。しかし後半は怒涛の展開でグッと掴まれる。編集のテンポと音の訴求力がいま見ても強く、劇場の空気が変わるのが分かる。
そして「魂のルフラン」に雪崩れ込む瞬間は、やっぱり“わかってる”構成。鳥肌は演出のご褒美。
当時の自分への手紙
TV版の最終2話がとても抽象的で、答えを求めて「藁にもすがる思い」で劇場に走った1997年の自分。あの焦燥と期待を、今、ふたたび感じられるのは過去の自分が残してくれた宝物かもしれない。違うのは、こちらに年輪が(ずいぶん)増えたこと。解釈は増えたけれど、好きの理由は案外変わらない。たぶん、ずっと変わらない。
“月1エヴァ”とは?
EVANGELION 30th MOVIE Fest. 2025–2026の通称。
2025年10月〜2026年2月に、各月1作品(10月は2作品)を1週間限定で全国上映。初回は『シト新生』(DEATH (TRUE)² & REBIRTH)、続いて『Air/まごころを、君に』、以降は新劇場版:序(1.11)/破(2.22)/Q、シン・エヴァと続く編成。入場者特典などの企画も。最新スケジュールは公式で。
30周年に寄せて:祝エヴァンゲリオン30周年
シリーズは2025年で30周年。イベントやコラボ、音楽リリース、展覧会も順次アナウンス中。記念年に“劇場で観直す”という祝福の仕方、最高にエヴァ的。
体力は落ちたし涙腺も強くない
DEATH前半で脳が情報過多に。必死で答え合わせをしていく感じ。
REBIRTHで一気に巻き上がり、EDで涙腺決壊。ハンカチ忘れという初歩ミスを、30年越しに再犯。
これから:月イチで劇場に通う宣言
“月1エヴァ”、どうしようかと思っていましたが、観たらやっぱり揺さぶられるのは二十数年経っても変わらない。もちろん全部行く所存です。あの頃の自分と、いまの自分が、毎月劇場で合流する。そんな贅沢、逃す理由がない。次回は『Air/まごころを、君に』。心の準備とハンカチの準備、両方を忘れずに。
記事末メモ(編集者向け/公開時は削除OK)
- 月1エヴァ特設(スケジュール):https://www.evangelion.jp/30th_movie_fest.html
- 公式ニュース(コメント上映の仕様):https://www.evangelion.jp/news/251006-1/
- エヴァ30周年特設(総合):https://30th.evangelion.jp/
- 『シト新生』初公開データ(1997/3/15):Wikipedia
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