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ずっと気になってた前田真宏さん初の展覧会に行ってきました!
現在、株式会社カラー所属 アニメーション監督・前田真宏さん
エヴァンゲリオンシリーズではデザイン・原画担当
最近ではマッドマックス・フュリオサの製作にも参加されております。
展覧会の方は残念ながら、入口と出口付近以外は撮影不可でしたが、撮れるものは全部撮ってきましたのでご覧ください。
前田真宏ショック!
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最近まで、前田真宏という名前は全く知りませんでした。
氏が携わった作品として風の谷のナウシカなんか金曜ロードショーで何回も観てるんですが、前田真宏氏のことはまったく気づきませんでした。
ていうかエンドロールってあんまり放映されないし、テレビじゃわざわざ見ないもんな。
で、前田真宏という名前を認識したのはけっこう最近でエヴァンゲリオン原画展「エヴァンゲリオンビジュアルワークス」という展示会場でした。
秋葉原で開催されたその展示会では新劇場版をメインに物凄い数の原画やスケッチが展示されていました。
緻密な背景を何枚も重ねて作り上げる構成過程や電柱、電線の異様とも思える描き込みなど褒め言葉として「ここまでやるか!」と偏執的ですらありました。
庵野秀明監督や貞本義行氏のラフ・スケッチなどもあってご両名や山下いくと氏などは元々知ってたのもあって「スゴいな〜」なんて眺めてました。
そしてその展示会場で膨大な絵の中でだんだん同じタッチの絵に惹かれてることに気付いたんですね。
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気になった絵のクレジットをチェックしていると「前田真宏」という名前ばっかり。
マエダマサヒロ?誰?みたいな感じで
このときは下の名前をマヒロとお読みすることも知らなくて御無礼千万でした。
で、その「エヴァンゲリオン ビジュアルワークス」展を見ていくうちにコレは大変な人をみつけたぞと思い始めました。イラストの魅力は後で触れるとして、要するにこの人のファンになる予感がしたんですね。
で、で、今回、雑・前田真宏展というのが開催と聞いて、コレは是非ともと行ってきました。
前田真宏氏の来歴、携わった作品はこんな感じ
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ざっと見ただけでも観たことのある作品や知ってるタイトルがある方もいらっしゃると思います。
- 東京造形大学にて貞本義行らと同じ漫画会にて漫画製作
- DAICON Ⅳのオープニングアニメ製作
- ガイナックスに所属
- 風の谷のナウシカ制作に庵野秀明らと共に参加し原画担当
- 超時空要塞マクロスでアニメーターとしてプロデビュー(プロデビューって逆にそれまでバイトだったんですかね?驚いちゃいますが)
- 天空の城ラピュタ
- 王立宇宙軍オネアミスの翼
- 樋口真嗣らとアニメ製作会社ゴンゾ設立
- 青の6号で監督デビュー
- マトリックスのアニメ版アニマトリックスにて監督
- キル・ビルのアニメパート担当
- マッドマックス 怒りのデスロードではデザイン担当
- エヴァンゲリオンシリーズのデザイン、原画担当、新劇場版Qでは監督を務める
- シン・ゴジラ、シン・仮面ライダーではビジュアルワークを担当
- 他にも不思議の海のナディアや新しいところでは機動戦士ガンダム ジークアクスなどなど
日本アニメ―ションの生き字引、とんでもない作品群だと思います。
ドキュメンタリー「さようなら全てのエヴァンゲリオン〜庵野秀明の1214日〜」にも登場されてましたね。
雑・前田真宏展について
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ちなみに会場の場所はめちゃくちゃわかりづらい。
直下の6階はエヴァストアです。行ったらお土産が増えちゃいますね。
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決して広くはない会場でしたが、スケッチ、原画、作品がぎっしり詰まった展示で見応えがありました。
本展のためのビジュアルワークや監督作品「青の6号」、シン・ゴジラ、怪獣、マッドマックス、エヴァンゲリオン、アサシンクリードなどなどグッズ販売もありまして私も数点購入いたしました。
数少ない撮影できた画像を見ながら、僭越ですが、私なりに前田真宏氏のイラストの魅力お伝えします。
まずとにかくかっこいい!キレイ!かわいい!美人!そして怖い
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気持ちいい背景に魅力的な人物、そこから会話やストーリーを思わず想像してしまうような空間とつながりを感じる奥行があるんです。
イラストの中のキャラクターを見て「あーきっとこの人とこの人は友達なんだろうな」とか「声優さんはだれだれが合いそうだな」なんてアニメファンは想像しちゃうんじゃないでしょうか。
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それからイラストの線が力強く迷いがない。
私のような凡人を引き合いに出して恐縮ですが、絵を描くとためらい傷みたいな線がいっぱい出てきちゃうことってよくあると思います。
それがないというか、ガッ!ガッ!と実線が引かれてて手がちぢこまってないんですよね。描くところを見たことがあるわけじゃないんですけども。
線の強弱、勢いがそのまま画面の中で実在感につながる。
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それでいて、丁寧で緻密ってわけでもないんで不思議なんですよね。
構造物なんかでホントは平行であるはずの線が不揃いで長さも違ったりするんですが絵で見ると迫力があって、コレしかない!みたいな感じで収まってるんです。
それから作品によってまとっているオーラがぜんぜん違うんです。
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禍々しい、暗いものを感じたり、ポカーンとした日常みたいな雰囲気だったり、思春期男子のルサンチマン落書きか?みたいなものもあればほんわかした優しいタッチの作品もありその映像作品やシーンの意味合いによってトーンが全然違うんですね。
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そして、素人目に見てもこの作品群の背後に膨大なラフ、スケッチの数々があるのだろうなと感じました。
例えがアレで恐縮ですが、水面に突き出た背びれを見ただけで魚の巨大さがわかるというか、翼の羽ばたく音で鳥の大きさがわかるような、イラストを見ながらなにかオーラめいたものを感じました。
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絵の持つ迫力・実感を言葉で表現するのは難しいですが、欲しいところに線や色が入っている。それも意外なタッチで勢いを感じます。
本展覧会については展示品の撮影がほぼ禁止だったのが残念でしたね。
版権や権利の関係なのか、刊行されている画集との兼ね合いなのか、撮影OKであればきっと以前の私のようにSNSの画像を見て「あ!行ってみよ」っていう人が増えると思うんですよね。
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となりの「ちいかわ」のポップアップストアの方がお客さんが多くて私はなんだか悔しかったです。
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サイン会もあったらしくて知ってれば行ったんですが残念です。
あとね、これ超個人的な感想なんですが、私の好きな漫画家の一人にBASTARD!!の萩原一至さんがいまして、蛍光色の使い方とか、シルエットの付け方が似てるな~と思ってちょっと調べたら前田さんと萩原さんは同い年なんですね。
もし萩原一至の作品展開かれたら観に行くな~。
お二人に接点があるのかな?と調べたら特に見つけられませんでしたけどなにかご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください。
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それから会場のPARCOで画面にでかでかと水色の髪色のキャラがいたので撮影したら綾波じゃなくて、ホロライブの星街すいせいでした。これ完全にミスリードさせようとしてるんじゃないかと思いました!
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ちなみに雑・前田真宏展は巡回展示が決定しています。
2025年5月に名古屋の栄で、7月に大阪心斎橋で開催されますのでお近くの前田真宏ファンはぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
「雑 前田真宏 雑画集」も好評発売中で展覧会ではオリジナルのPARCO限定Special Editionも販売されていました。
↓下記は通常版
それと付箋でファンの方々のコメントが貼ってあって自由に書けるんですがここも見ちゃいましたね。
みんな絵が上手いんでビビッて逃げてきましたけど。
庵野秀明監督もお越しになられたようです。
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